ピラティスとヨガの違いについて詳しくご紹介

じっくりと体を動かすエクササイズであるピラティスですが、ヨガと非常に似ているというのが一般的な認識かと思います。実際には異なるものですが、どのような違いがあるのかご存じない方は多いでしょう。
そこで今回は、ピラティスとヨガの違いについてご紹介いたします。どちらがご自身にあった内容なのか気になるという方は、ぜひ参考にしてください。

1. ピラティスとヨガの違いその1：歴史

ピラティスとヨガの違いとしてまず挙げられるのは、「歴史」です。それぞれの歴史は、以下のとおりです。

1-1. ピラティスの歴史

まずはピラティスの歴史です。ジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスというドイツ人の従軍看護師によって考案されました。1920年代頃に、負傷した兵士の筋力トレーニングとして考えられたのです。
これまでは筋力トレーニングをするためには激しい運動をしなければなりませんでしたが、ピラティスであれば激しい運動をせずに、筋力トレーニングが可能となりました。ピラティス氏自身が体は弱く、さまざまな武術やエクササイズを研究し続けたことが根底にあるのです。1926年に渡米したあと、スタジオを開設し、「コントロロジー」という学問を伝えていったことで、広く浸透することになりました。

1-2. ヨガの歴史

ヨガ自体の起源としては、紀元前にまで遡るといわれています。日本に到来したのは、平安時代である1919年のことです。結核を患っていた中村天風が治療のために世界中を回っていた際に、ヨガのせいじゃと出会ったことがきっかけとされています。
中村天風はその後結核を克服するのですが、ヨガの修業によって心理を得たのでした。日本におけるブームを起こしたのは、インドなどで主に活動していた沖正弘によるものです。ヨガに出会った沖氏は、日本ヨガ協会およびヨガ行政哲学研究会を1958年に立ち上げます。その後は日本各地で普及活動をおこない、現在に至ります。

2. ピラティスとヨガの違いその2：目的

ピラティスとヨガは、目的に関しても違いがあります。それぞれの目的は、以下のとおりとなります。

2-1. ピラティスの目的

ピラティスの目的は、筋力トレーニングです。つまり、エクササイズになります。もともとは負傷した兵士のための筋力トレーニング方法として誕生しましたが、現在では、体のメンテナンスなどを目的とするエクササイズというのが一般的な認識です。インナーマッスルを鍛えることで、体のさまざまな不調の原因を取り除く効果に期待ができるものとなります。今ではそれらの効果に期待して、ピラティスをされる方がほとんどでしょう。

2-2. ヨガの目的

一方でヨガの目的は、「心の安定と安らぎ」がメインとなります。ヨガというのはサンスクリット語で「つながり」を意味する言葉です。その言葉のとおりに、心と体と魂がつながっている状態のことを表しています。
身体的なことだけでなく、精神面に関しても、自分で異常をコントロールすることができるようになるでしょう。エクササイズではなく、むしろ精神的な側面が強いのがヨガの目的であり特徴となります。

3. ピラティスとヨガの違いその3：内容

ピラティスとヨガでは、実際におこなう内容に関しても違いがあるのです。それぞれの内容は、以下となります。

3-1. ピラティスの内容

ピラティスの内容は、基本となるのは鼻から吸って口から吐くというピラティス呼吸をしながらのエクササイズです。姿勢改善などの効果も、すべては動作を呼吸法とセットでおこなうことによるものです。
インナーマッスルを鍛えるというのが最大の効果ですので、それによってさまざまな問題や異常を解消することが可能となるでしょう。マットピラティスとマシンピラティスの2種類が存在し、日本ではマットピラティスのほうが有名ですが、マシンピラティスは初心者にオススメです。

3-2. ヨガの内容

ヨガの内容は、ポーズをとるとともに、自らの内側に対して意識を向けるというのが主な内容です。ポーズは非常に多くの種類が存在していますので、それぞれ動作をしたあとにゆっくりとリラックスするという流れになります。
動き自体は体の可動域に作用するので、エクササイズのように感じることでしょう。しかし、本質は精神の安定なのです。動作の部分において、ピラティスと似ているように感じられています。表面的には同じに見えても、異なるものなのです。

4. まとめ